第2回アレルギー対応スイーツコンテスト 一般の部で優勝された、岡田 静穂(おかだ しずほ)さんにお話を伺いました。
ご自身も食物アレルギー体質であることから、28品目不使用のサツマイモのモンブランを作って堂々の1位!
一般家庭でも手に入りやすい材料で、誰でも食べられる身体に優しいスイーツ。
普段は洋食店で勤務をされている岡田さん。
日々どのようなことを考え、お仕事をされているのでしょうか?
アレルギー体質のいとこの一言「安心して食べられる」
ー岡田さん、どうぞよろしくお願いいたします!
昨年のコンテストから日が経ちましたが、勤務されているお店にアレルギー対応スイーツのお問い合わせなどありますか?
コンテストでの優勝を知っていただいてか、「アレルギー対応のケーキは作れますか?」というお声をたびたびいただくようになりました。
ただ、うちは洋食店なので…。
やっぱりコンタミを懸念して、なかなかご提供はできないことになっています。
ーそうですよね…。
人の命に関わる「食」を扱っているからこそ、万が一のことがないよう慎重になりますよね。
そうなんです。
でも、実は私のいとこに、食物アレルギーで病院に運ばれてしまうぐらいひどい子がいて。その子にクッキーやサブレとか、そういうものは作りました。
ーそうなんですね!きっと喜んでもらえたのではないでしょうか。
はい!
知っている人が作ってくれたこともあってか、いとこは「安心して食べられる」って言ってました。
普段は、市販のお菓子でも「大丈夫かな?」って考えながら買っているそうです。
ーそうなんですね。
「安心だ」って思っていても、特に個人店だと誤ってアレルゲンが入っていることだってありますし。
お醤油とか味噌だって、小麦粉が入っているものがほとんどですよね。
そうなんですよね。
だから、いとこから「安心して食べれるし、美味しい!」って言ってもらえた時は、本当に嬉しかったです。
ー「安心」っていうのは私もご意見いただいたことがあります。
「アレルゲンが入っていない」って言っている相手を信頼していると、ご本人の安心感も違うと思います。
そうですよね。
食物アレルギーがあると、どうしても神経質になるところは出てくると思います。
「このお醤油は小麦を使っていないものなのかな?」とか。
私の母は小麦アレルギーですが、「どこまでちゃんと表示されているのかな」っていう不安はやっぱりあって…。
初めてのものを買うのはいまだに怖いので、やっぱり作ってくれるのが一番だと思います。
ひらすら食材と向き合う日々
ー今年も出場は考えているのでしょうか?
はい。
試作をしています。だけどやっぱりなかなか難しくって…。
卵・乳・小麦を使うスイーツとは全然違うので、「考え方から変えて作らなきゃ」っていうのがありますよね。「卵でつくれば膨らむけど、卵が使えないからどうしよう」とか、今でもつまづきます。
もうひたすら食材と向き合っている感じ。根本的なところから。毎日毎日うなされるぐらい考えますが、なかなか難しいですね。
「素材の持ち味を活かしたいけど、熱を入れたらどうなるかな」とか。
素材1つとっても役割はいろいろありますし、「作りながらいろいろ試してみたいなー」っていうもどかしさもあって悩みますね。
飲食業へのこだわりと、食べられないことへのコンプレックス
ーすごい。やっぱりなんか…。1番になる人は考え方から違うなぁと感じます…。
食べることが、本当に好きなんです。
高校生の頃から飲食業にはたずさわっていました。当時は、旅館のホールやキッチンのバイトをしていました。
ー旅館のバイトって厳しそう。本当に好きじゃないと続かなさそうなイメージです…。
そうですね〜。笑
飲食業が本当に好きだからこそ、食べることへのこだわりは持っていると思います。
それに、私自身がアトピー 体質で食べられないものが多いので、食べられない人の気持ちがわかるのかもしれません。
「食べたいのに食べられない」ことへのコンプレックスはずっとありますね。
ーそうなんですね。
その思いから、あのさつまいものモンブランが生まれたんですね!
はい!
やっぱり「みんなで食べられる」っていうところにこだわりたくて、28品目不使用のさつまいものモンブランを出しました。
卵・乳・小麦の3大アレルゲンを抜いたとしても、それ以外が食べられない人もたくさんいるので。私自身も食べられませんし。
まずはとにかく形にしてみる。なんとなくでも形にしてみる。
ー最後に、コンテストへの応募を迷っている方へメッセージをいただけますか。
偉そうなことは言えませんが…。メッセージ、なんだろう…。
まずは、応募されてみるのがいいと思います。
頭でいろいろ考えすぎてしまうと、行動できなくなってしまうので…。
とにかく形にしてみる。なんとなくでも形にしてみるのがいいかなと思います。
私自身、最初はちょっと作って分量をメモしてっていうのを続けていたら、なんとか形になったという感じだったので。
やり続ければできると思います。
なので、ぜひまずは行動されてみることをオススメします。
ーありがとうございました!