第2回アレルギー対応スイーツコンテスト 一般の部で入賞された、久永 由佳理さんにお話を伺いました。
保育園の調理師をされている久永さん。
久永さんは保育園の調理師をされていますが、お勤め先の園の方針でそもそも給食はすべて卵・乳・小麦不使用!
そんな、普段から3大アレルゲン除去食を作られている久永さんでさえも、「卵・乳・小麦不使用のスイーツは難しいです」とお話されています。
コンテストでは、かわいらしいイチゴのシャルロットケーキで第3位!
コンテストの作品として開発したシャルロットケーキですが、昨年のクリスマスのおやつとして、7園ある全系列園で子供たちに提供されたそうです。
さてさて、子供たちの反応やいかに…?
イチゴのシャルロットを保育園のクリスマスで提供!
ー久永さん、どうぞよろしくお願いいたします!
お勤め先の保育園でイチゴのシャルロットをお出しされたんですね!
はい!クリスマスのおやつで出しました。
子供たちがみんな「食べたい食べたい!」って言ってくれて、おかわりの列がわーっとできたんです!
とある男の子が「これ誰が作ったのー?」って聞いてくれたので、「私が作ったんだよー」と答えたら、「すごい美味しかった!」って言ってきてくれて。
そんなふうに喜んでもらえたのがすごく嬉しくて、泣きそうになりました。
ーコンテストのプレゼンで、もう数えきれないほど試作されたって言ってましたもんね!
それほどまでに子供たちが喜んだのなら、また保育園のおやつとしてお出しするのでは?
それが…。やっぱり作るのが大変で…。汗
うちは園児が70人ぐらいいて、先生たちの分も入れると15cmのシャルロットが9ホール…。汗
しかも、うちの園では給食の2時間前からじゃないと作れないっていうルールがあります。
そのためクリスマス当日は、給食の2時間前からひたすらケーキを作っていました。
ーえー!すごい!久永さんが勤務されている以外の、系列の園でもシャルロットケーキをお出ししたのですか?!
お菓子作りに慣れていない先生だと、さらに作るのが大変だったのでは?
そうですね。
他の園でも作りやすいようにレシピ変更をしたり、イチゴを半分にしたりもしました。
普段は他園の先生方と交流する機会がなかなかありませんが、今回のシャルロットをきっかけに初めてお話をした先生もいました。
卵・乳・小麦不使用の食事ってこんなに求められているんだ!
ーイチゴのシャルロットが、先生同士の交流のきっかけにもなったんですね!
はい!
あとは、コンテストに出場させていただいたことで、アレルギー対応の食事がこんなにも求められているんだっていうことにも気がつきました。
ーえぇ!そうなんですか?
久永さんが勤めている保育園って、園児みんなに卵・乳・小麦不使用の給食を出されている方針なのに…?
そうですね。
アレルギー対応の食事を提供する保育園で働いてはいますが、私自身の家族や身近な人にアレルギー体質の人はいません。
そういうのもあって、私が思っている以上にアレルギー対応食は求められているんだなと感じました。
アレルギー対応スイーツコンテストで他の出場者さんと情報交換をして、「アレルギーに関してこんなにも考えている方々がいらっしゃるんだ」と感じましたね。
米粉の種類などのお菓子作りの情報交換もできて、本当に有意義な時間を過ごせたと思います。
決勝審査には、北海道とか愛知からもいらした方もいて、やっぱりすごいなって。視野が広がりました!
新学期は子供たちのことで頭がいっぱい!
今は、4月から新しく入ってきた子供たちの顔と名前を覚えるのと、みんなに園に慣れてもらうのに必死です。
ーそうですよね。保育園といえば、もうみんな、てんやわんやなお年頃ですもんね。汗
そうなんです。だから特に新学期は、新しく入園した子供たちのことで頭がいっぱいですね。
自分もみんなに慣れて、そしてみんなにも慣れてもらわないと、っていう感じで。
ー毎年みんな入れ替わりますもんね。そしてみんな全力で動き回るし。笑
そうですね。笑
大変ですが、それ以上にかわいいです。
本当にみんなかわいくて、毎年「この子はどんな子なんだろうなー」って感じで、楽しみながら反応を見ています。
性格も、やっぱり一人一人違っていて、本当に楽しいです。3歳ぐらいになると「先生ごはんおいしかった」とか言ってくれて。
すごいお利口さんだなーと感じる子もいますし。
反対に、「これもダメ!これも嫌い!あれもいや!」っていう子もいますが、そういう子には「どうしたら食べてくれるかなー」って考えますねー。
ー調理師さんも、お子さんと関わることは多いのでしょうか?
綺麗なガラス貼りのオープンキッチンなので、子供たちが食べているところがよく見えるんです!
ー素敵ですね!
はい^^
食べているところが見えるのもありますし、「美味しかった!」とかいろんな声が聞けてすごくいいです!
アレルギーがあってもなくても同じようにおいしく食べてほしい
コンテストをきっかけに、卵・乳・小麦粉不使用の食事がご提供できるのって、本当に大事なことなんだなーっていうのを感じました。
特に今年は、重度の乳アレルギーの子が入園されて、ますます大切さを感じます。
ー保育園の方針として、3大アレルゲン除去の食事を全員にお出しするっていうのは、素晴らしいなと感じます。
当事者からすると本当にありがたいんじゃないかなと…。
…結構、お悩みを聞くんです。
先生が良かれと思って、給食の時間にアレルギーのお子さんをパーテーションで仕切ったら、本人は傷ついてしまったとか。
新学期が始まる4月は特に。
やっぱり、みんなで一緒に昼食を食べられるっていうのは、すごくいいことだなと…。私も思います。
当事者からすると変に騒ぎ立ててほしくないというか…。
配慮はしてほしいけど、そっとしておいて欲しいっていうのもあるようですし。
もちろんうちの園でも、卵アレルギーの子はおちゃわんを黄色にするとか、安全面を担保するための最低限のことはします。
でも、そんなちょっとしたことでも、子供達は「なんであの子は黄色なの?」とか、気がつきますよね。
それがいいとか悪いとかではなくて、その子に対して理解を示そうとしてくれる。
そんなやりとりも経験しながら、みんなが一緒に当たり前に食べられる。
そんなすばらしい取り組みをしている園で働いていることを、とても嬉しく感じます。
ー素晴らしいです。ありがとうございました!
<久永さんがお勤めの保育園 チャレンジキッズについて>
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