東京製菓の洋菓子科の先生である金田英継さん。
元々は洋菓子店でパティシエとして働いていらしたそうですが、タイミングが重なって母校である東京製菓学校でお仕事をされることになられたそうです。
普段はよく使われている「卵・乳・小麦」を使わないスイーツ作りにご参加くださった、その想いを伺いました。
コンテスト応募のきっかけを教えてください
東京製菓学校のツイッターでたまたまコンテストのことを知って、面白そうと思ったんですよね。
この学校でやるんだ!って。
その時は、審査員も何も決まっていない時でした。
以前に勤めていた洋菓子店で、アレルギーのお菓子も作る機会がありました。
でも、普段作っているお菓子と比べると、あまり美味しくないって思っていて…。
この学校の職員にも、お子さんが小麦粉アレルギーの人がいて。
お誕生日にはアレルギー対応のケーキを作ってくれるところに買いに行くんだけど、やっぱり味的には物足りなさを感じていて…。
そんな状況を目の当たりにしていたんですね。
そんな時にたまたま、そのツイッターの記事を見て、トライしようかなと。
学校のホームページはチラチラ見てて、ツイッターもやってるんだ〜ぐらいの感じでしたから、本当に見つけたのはたまたまでしたね。
募集が始まったばかりの、4月ぐらいだった気がします。
優勝されたご感想を教えてください
アレルギーじゃない人も美味しいって言ってもらえることを狙っていたので、素直に嬉しいです。
試作している時も、妻に試食してもらって。
試食した後から、卵・乳・小麦を抜いているお菓子だって伝えたら「え〜!」って(笑)
たとえ賞が取れていなかったとしても、僕の中で美味しいものが作れたことに満足しています。
そして、それをこういった形で評価してもらったことがさらに嬉しいです。
作品について教えてください
アレルギー対応のスイーツを考えた時に、美味しいムースケーキって少ないかなって思って。
美味しいムースケーキを作ろうって思いました。
豆乳のムースって、普段のお菓子に慣れている自分にはちょっと物足りないと思っていて…。
なので、バナナとチョコとカカオマスを使って「美味しいムースケーキってできるんだよ」っていうことを伝えたかった。
試作の段階で難しかったところはありますか?
動物性のものが一切入らないって言うのは、味的に、そこを「美味しい」って言ってもらえるまでにもっていくのが大変でした。
食感はごまかせるんですけど、味ってごまかせないじゃないですか。
使えないものはもう無視して、使えるものをプラスに捉えてできればいいかなと思いました。
今回はバナナとチョコレートですね。
この2つを中心に使いました。
米粉ならではの調整も必要でしたね。
スペシャルチョコバナナは、一番下がスポンジで、その上にムースがのっています。
柔らかすぎてぺちょんとなったら嫌だし。
固すぎでも食感が悪くなるし。
最終的な焼き上がりの硬さをちょうど良いものにするための、水分調整が大変でした。
やっぱり小麦粉とは違うので、しっとりさせたいのにぺちょっとなったり、パサパサになったり…。
水分の加減が大変でした。
アレルギーっ子のご家族に一言
十何年前よりは、材料が増えたり選択肢が増えたりしていて、僕らももっと良い物を作っていきたいって思っています。
美味しいケーキを諦めている人がいないとは思うけど。
もっともっと「卵・乳・小麦不使用でも美味しいケーキはたくさんあるんだよ」っていうことを伝えていきたいです。
僕らもご協力させていただきます。
♦︎金田 英継さんのレシピはこちら
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