顧 寧(こ ねい)さん
【第4回コンテスト 学生の部 準優勝】
赤堀製菓専門学校 1年生の顧 寧さん。
オペラのような見た目の美しい『チョコムースケーキ』で、学生部門みごと準優勝に輝きました。
顧さんは、日本の文化を学びたくて 6年前に上海から来日。日本の大学を卒業して、現在は製菓を学ばれています。
顧さんの開発されたチョコムースケーキは、見た目はオペラのようですが、香港のとあるトロピカルなデザートから着想を得たそうです。
果たして、顧さんが着想を得たデザートとは一体…?
日本にお店をオープンされるご予定なのかも気になるところ…。
いろんな文化を取り入れている日本へ。
ー顧さん、どうぞよろしくお願いいたします!
6年前に日本にいらしたとのことですが、なぜ日本に行こうと思われたのでしょうか?
視野を広げたいと思って。日本はいろんな文化を取り入れている国ですし、私自身 日本のアニメやお菓子が好きだったので、上海の高校を卒業してから日本の大学に入学しました。
ーそうなんですね!日本の大学を卒業された後、赤堀製菓専門学校に入学されたのはどうしてですか?
大学を卒業したので、今度は食文化をと思って…。
ーあ、確かに!製菓も文化ですね!
はい。あとは、小さい頃からお菓子を作るのが好きで、パティシエの道に進みたいと思っていたんです。
大学に通っている間も、 趣味の範囲ではありますがお菓子作りをしていました。
大学ではお菓子とは関係ない学部で勉強をして、今度は食文化ということで製菓学校に入りました。
美しい『チョコムースケーキ』の原点はトロピカルな南国風デザート
ー今回、アレルギー対応スイーツコンテストに出ようと思われたきっかけは何ですか?
学校に掲示されていたスイーツコンテストのポスターを見て、応募しようと思いました。
私は中国にいた時は、卵や乳や小麦のアレルギーを持っている知人はいませんでしたが、シーフードのアレルギーを持っている人がいたんです。
その知人のことを思い出したというのもありましたし、これまでまったく知らなかった分野だからこそ勉強にもなるかなと思って応募しました。
ーそうなんですね!学校では色々なスイーツを習っていると思いますが、どうしてこの形のチョコムースにしたのでしょうか?
まずは、私が好きなチョコを使ったケーキで応募したいなと思いました。
そして、卵と乳と小麦粉が使えないということで、ホンコンの『杨枝甘露(ヨンジーガムロ) 』というデザートが思い浮かんだんです。
ーヨンジーガムロ?
はい。マンゴーやココナッツミルクを使った、 南国風のデザートです。
ただ、これはケーキというより飲み物に近いので、ケーキのようにアレンジしたいなと考えました。
濃厚なバナナチョコブラウニーに、口溶けの良いココナッツムース、そしてチョコに相性が良いイチゴを使ったゼリーを層にしています。
オペラのようにグラサージュをかけて、最後に金箔をのせてピカピカに仕上げました。
ードリンクのようなデザートがベースになっていたんですね!
日本人にはあまりない発想かもしれません!
タイミングを見計らって、そ〜っと流し込んで…
ーアレルギー対応スイーツを作られたのは初めてだったと思いますが、特に難しかったことってありますか?
はじめは材料に慣れるのがちょっと難しかったですね。
米粉を使ってみて、ベタつくことがわかったのでアーモンドパウダーを入れたり…。
あとは、卵がないので、乳化させるのが難しくて…。
カカオマスを入れてもうまく混ざらなくて、最初は焦がしてしまいました。
ー卵って、いろんな役割を果たしてくれますよね。
はい。でも、一番気をつけたことは、ムースやゼリーを型に流し込むタイミングです。
ータイミング?
断面をきれいに見せたかったので、流し込むタイミングにはすごく気をつけました。
次の層を流し込むタイミングが 前の層が完全に固まってからだと、カットした時に分離してしまうんです。
ーあぁ!なるほど!それは大変です!汗
どのタイミングで流し込んでいたのでしょうか?
少しかたまりかけた状態で、表面に少しだけ弾力が出てきた時です。
ー見計らうのが難しそうですね。汗
チョコムースケーキ、食べた時に絶妙なふわふわ感と言うか、味ももちろん美味しいのですが、食感もすごくなめらかで美味しかったです。
このふわふわ感はどうやって出したのでしょうか?
ココナッツクリームを泡立てた後に、ゼラチンと合わせました。
ーそうなんですね。本当に口どけが良くて、味のバランスもすごい良くて美味しかったです。
ありがとうございます。
「嬉しかった!」って言ってもらえて、コンテストに出て本当に良かった。
ーコンテスト当日はどうでしたか?
初めてのコンテストだったので、やっぱりすごい緊張しました。
当たり前ですが、審査員の先生達も見にいらっしゃるので「見られてるなー」って思いながら…。
ーそう思いますよね。笑
あとは、同じお部屋で作っていた学生部門の他の方々のケーキがすごいきれいだったので、もうずっとドキドキしていました。
準優賞をいただけたのは、本当にすごい嬉しかったです。
でも、それよりも嬉しかったのが、審査員のヒカルくんが「こんなに美味しいスイーツ初めて食べた。嬉しかった!」って言ってて。
それを聞いて、本当にコンテストに出て良かったなと思います。
ーヒカルくん、とても喜んでいましたよね!ありがとうございます!
技術を磨いて中国にも日本にも出店したい!
ー今後の展望を教えていただけますか?
製菓学校を卒業したら、日本のケーキ屋さんに就職して技術を磨きたいと思っています。あとは、製菓の本場のフランスに行って技術を磨きたいです。
そしてゆくゆくは、自分のお店を持ちたいです。
ーお店の場所はどちらに…?
日本にも中国にも!
ーわぁ!楽しみにしています!
ー最後に、アレルギーのお子さんを持つご家族にメッセージをいただけますか?
アレルギー対応の食材も増えてきますし、こうやってみんながアレルギー対応スイーツに目を向けて開発される数も増えていくと思うので、ぜひ楽しみに待っていてください。
あと、中国の伝統的なスイーツにも卵や乳を使わないお菓子があるので、よかったらみなさん食べてみてください。
ー中国のスイーツ!探してみます。ありがとうございました!