子供の頃の思い出を再現。アレルギーがあってもなくてもみんなで食べられる『Chiboust d’ete(シブーストデテ)』

石川 ゆりえさん
【第4回コンテスト 一般の部 優勝】

「アレルギーがある子もない子も、同じお菓子を安心して美味しく食べてほしい。」

そんな思いで、子供向けのアレルギー対応お菓子教室をされている石川さん。愛知県の知立市にお住まいで、お子さんが産まれたことをきっかけにお菓子教室を始めたそうです。

そんな石川さんは、『Chiboust d’ete(シブーストデテ)』という名の、シブーストというケーキを作り、一般の部でみごと優勝を飾られました。

パリッとしたキャラメルにふわしゅわのシブーストクリーム、外はさっくり中はしっとりとした、美味しくて食感の違いも楽しめるスイーツです。

あえてアレルギー対応では難しいシブーストを作った石川さん。

『Chiboust d’ete(シブーストデテ)』開発の経緯や、お菓子教室への思いを中心にお伺いいたしました。

 

「子供たちになにかしてあげたいな。」子供の頃の夢をカタチに。

ー石川さん、この度は優勝おめでとうございます!

愛知県で子ども向けアレルギー対応のお菓子教室をされているそうですが、始めるきっかけはなんだったのでしょうか?

そうですね。
息子が食物アレルギーということもあって、「なにかしてあげたいな」と思ったことがきっかけです。

実は、小さい頃の夢はパティシエだったんです。

最終的には大学へ進んで、お菓子からは少し遠い管理栄養士の仕事をしていましたが、子供が生まれたことを機にお菓子の仕事をはじめてみようと思いました。

フードマイノリティの、なかなかスイーツを食べられない方でも食べられるお菓子教室を目指しています。

「アレルギーがある子もない子も、同じお菓子をみんなで笑顔で食べてほしい」。そんな思いでやっています。

 

ー素敵ですね!生徒さんは何歳ぐらいの子が多いのでしょうか?

年中さん〜小学生の子が多いですね。

 

ー年中さんもいるんですね!

そうなんです。

子供ってなんでも自分でやりたがるんだなーと、みんなを見ていて感じます。

うちの子はまだ2歳ですが、それでもお兄さんお姉さんたちと一緒に楽しそうに手を動かしているんですね。

 

ーえぇ?!2歳でもなにか作れたりするのですか?

ぜんぶの作業をするところまではいきませんが、「自分が関われた」っていうところにすごく喜びを感じてくれるんですね。

なので、お父さんお母さんはぜひお家でお子さんにお手伝いをお願いすると、お子さんの成長にとってプラスになるんじゃないかなと思います。

 

思い出のケーキ。アレルギー対応では作るのが難しいシブーストを再現。

ー今回、アレルギー対応スイーツコンテストはどこで見つけたのでしょうか?

実はもともと、日本環境保健機構さんの「環境アレルギーアドバイザー」の資格を取ろうかなと思っていて、機構さんのホームページを見ていた時にコンテストのことを知りました。

見つけた時にはすでに終わっていたタイミングでしたが、今回も開催されたので応募しました。

 

ーそうだったんですね。ありがとうございます!

石川さんの作品『Chiboust d’ete(シブーストデテ)』すごく美味しかったです!

ふつうシブーストって、がっつり卵白と乳製品を使うから、まさかアレルギー対応スイーツコンテストでお目にかかれるとは思っていませんでした。

作るのは難しかったと思うのですが、あえてシブーストにした理由はなんだったのでしょうか?

シブーストって、私の思い出のケーキなんです。小さい頃、あるケーキ屋さんで食べたシブーストがすごく美味しくて、その記憶が今でも懐かしい思い出として残っているんです。

「アレルギー対応のシブーストって、ちょっと難しいかな」とも思いましたが、せっかくコンテストに出すなら、私自身が好きな思い出のケーキでチャレンジしたいなと思いました。

ーそうだったんですね。本当にすごく美味しかったです。ありがとうございます!

 

美味しさの秘訣は「バナナ」と「オーツミルク」

ーたくさんあるとは思うのですが、特に工夫したのはどんなところでしょうか?

ひとつは、バナナを使ったところです。
一般的なシブーストってリンゴを使うことが多いのですが、今回は味に重みを出すためにバナナを使い、より満足感が得られるように仕上げました。

卵や乳が使えないので、どうしても味が淡泊というか、あっさりしたものになりがちかなと思ったんです。

 

ーバナナは、どこに使ったのでしょうか?

土台とクレームダマンド、シブーストクリームに使っています。あとは飾りにも。

 

ー土台にも!だからあんなに食べ応えがあるんですね!

はい。あとは、オーツミルクを使ったところも工夫した点です。

シブーストクリームにオーツミルクを使用し、バニラビーンズの風味をつけることで、豆乳のにおいや風味をおさえてマイルドな味わいにしました。

また、特定のタンパク質源の摂りすぎはアレルギーを引き起こす場合があるので、豆乳の代わりにオーツミルクを使うことで、大豆タンパクの摂りすぎを防止しました。

 

ー豆乳の代替品はいくつかあると思いますが、オーツミルクを選ばれたんですね!

はい。アーモンドミルクやココナッツミルク、ライスミルクでも試しましたが、オーツミルクがちょうど良かったです。美味しくて、そしてちょっと香ばしさもあって。

 

ーそうだったんですね。レシピを作る上で大変だったことはありますか?

豆乳とオーツミルクとゼラチンの配合を考えるのがすごく大変でした。

少しでもゼラチンの配合が多いと口当たりが悪くなりますし、反対にちょっと緩いと溶けてしまうので…。
絶妙なとろみ加減にするっていうのがすごく難しかったです。

 

本当にドキドキの連続。周りのみんなも素晴らしいお菓子ばかり!

ー決勝審査当日を迎えてのご感想を教えていただけますか?

当日はすごく緊張しましたね。もう、心臓が飛び出るかと思いました。

一般部門といっても、周りの方もみんなすごく素晴らしいお菓子を作られてたので…。本当に、ドキドキでした…。

あとは、ふだん子供に囲まれることはありますが、大人に囲まれてお菓子を作ることがあまりなかったのでそれも緊張しました。笑

 

ー言われてみればそうですよね。笑

そして大人に囲まれてプレゼンすることもあまりないですよね。

そうですね。雰囲気も設備も、ふだんとは違う中で作らせていただいて、本当にもうドキドキの連続でした…。

賞をいただけた時は本当にすごく嬉しかったです。すごくすごく嬉しかったです!

そして、キッズ審査員のヒカルくんにヒットしたことも、子どものお菓子教室をやっている身としてすごく嬉しかったです!

 

ぜひお子さんと一緒にお菓子作りを楽しんでください!

ー最後に、アレルギーのお子さんをもつご家族にメッセージをいただけますか。

アレルギー体質のお子さんをお持ちのお母さんお父さんには、「こんなお菓子が作れるんだよ」っていうことを、もっともっとお伝えしていきたいです。

あとは、アレルギーがない方にも、「アレルギーがある子もない子も美味しく食べられるお菓子」のこととか、食物アレルギー自体のことも知っていただきたいです。

やっぱりどうしても、身近にアレルギーの子がいない方だと、なかなか知識を得ることってないと思うんですね。

 

ーあー。それは、まさにそうですよね。

知らなければ善意から、卵や乳が入っているお菓子をあげてしまいかねないと思います…。

命に関わることなので、食物アレルギーの子供の存在を知っていただくだけでも違うかなって思っています。

そういうきっかけをどんどん作っていければいいなと思います。

 

また、ぜひお家でお子さまに、お料理やお菓子作りをどんどんさせてあげてください。

自分たちで作ったものを美味しくいただくと、心も体も幸せになれますよ^^

ぜひお子さんと一緒にお菓子作りを楽しんでいただければと思います。

ー石川さんだからこその素敵なメッセージですね。ありがとうございました!

 

石川 ゆりえさんのお菓子教室について

アレルギー対応
子どもお菓子教室Yhana Sweets
HP:https://www.yhanasweets.com/

 

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