千葉県流山市の保育園にて 調理師をしている久永さん。
園の方針で、給食は全員に卵・乳・小麦を除去したものを提供しているそうです。
日々 除去食を作る中で感じていることや、レシピへのこだわりをお話いただきました。
コンテスト応募のきっかけを教えてください
園としてアレルギー除去食を提供していることもあり、コンテストについては自然と知ることになりました。
普段から除去食を作っているとはいえ、「使える食材が限定されているな」と感じることはよくあります。
「これには小麦粉が使えたらいいな」とか「バターだったらコクがでるのに」と思うことは、特にスイーツではよくありますね。
私が働く園には 食物アレルギーのお子さんが7名いますが、イベントごとが多いこの時期は特に、親御さんも頭を悩ませていることと思います。
コンテストでは、私自身も大好きで、見た目も味も子供たちに喜んでもらえるケーキで出場したいなと思いました。
作品について教えてください
卵・乳・小麦不使用で、見た目も味も子供たちに喜ばれるケーキ。
それを作るために一番ネックに感じたのが「米粉スポンジ」です。
米粉スポンジって、少し加減が違うだけでモチモチしたりどっしりしたり…。
小麦粉で作るショートケーキのスポンジと同じものって、なかなか作れないなと感じていました。
そこで、周りはビスケット風の生地で 中はババロアのシャルロットケーキなら、卵・乳・小麦不使用でも全体的にバランスがとれたおいしさになるのではないかと思ったんです!
難しかったところはありますか?
実は…旬のフルーツであるイチゴを使ったことで、決勝審査までに試行錯誤の日々を過ごすことになりました。
スイーツコンテストの応募締め切りが春で、その時はイチゴはすんなり手に入ったんですよね。
その時は、まさか 1次審査を通過すると思っていなくて…。
決勝審査は9月。
もちろんイチゴは旬ではありません。
なんとかしようと思って、決勝審査では夏イチゴを使うことにしました。
でも、やはり旬のものと比べると、酸味が強いし香りがあまり出ない…。
夏イチゴよりも冷凍イチゴの方が香りがいいことが分かって、「ババロアに冷凍イチゴも代用可」ということを書いておくべきだったと思いました。
また、ゼラチンは使わず寒天を使用し、より自然なものにするようこだわっています。
寒天はゼラチンよりも扱いが少し難しく、試作の時はババロアが固まらないことが一度ありました。
今回はイチゴが該当しますが、酸味のある食品は 寒天を完全に煮溶かして火を止め、粗熱が取れてから入れるようにしてください。
決勝審査のご感想を教えてください
もう緊張して手が震えっぱなしでした。
他の出場者の方を見ないように、ずっと壁側を向いて作業していましたね。
でも、以前コルドンブルーという調理学校に通っていたので、その時の感じを思い出して「楽しい!」とも感じました^^
3位って分かった瞬間は「えっ??」って感じで。笑
少し時間が経って、ほっとした感覚が湧いてきました。
表彰式では、他の入賞者の方と交流できたのも嬉しかったです !
米粉スポンジをふわふわさせるには乳化させるのがポイントなど、新たな発見も得られました。
アレルギーっ子のご家族に一言
今は昔に比べて除去食も多くなってきましたが、やはりまだまだ、不便を感じることも多いのではないでしょうか。
今回 作ったイチゴのシャルロットケーキですが、園のクリスマスケーキとして子供たちに食べてもらうことに決まりました!
身近なところからにはなりますが、これからもおいしい卵・乳・小麦不使用のスイーツを追求していきたいと思います。