大学で心理学を専攻している栄田さん。
幼少期は食物アレルギー体質でみんなと同じものが食べられず、とても寂しい思いをしていたそうです。
そんな時期に経験した温かい思い出と、地元愛を表現したスイーツについてお話しいただきました。
コンテスト応募のきっかけを教えてください
料理全般が好きで、お菓子やパンなどを普段からよく作っていました。
コロナで学校が休みになって、お料理系のもので何か挑戦したいなと思っていたんです。
そんな時たまたまインターネットでアレルギー対応スイーツコンテストのことを知って、私自身も小さい頃 食物アレルギー体質でもどかしい思いをしたこともあったので応募しました。
作品について教えてください
私は卵と乳がだめで、どうしてもクリームなどが口にできませんでした。
みんなと同じものが食べられなくてとても悔しかったです…。
そんな時、母が自分でクリームを絞って食べられるモンブランを持たせてくれたんです!
それがとてもおいしくて、自分でクリームを絞れるのも楽しくて!
食物アレルギー体質の子が食べられるのはもちろん、自分で絞って楽しく食べられるスイーツを作ろうと考えました。
レシピにあるクリームは、小さい子でも絞れるような柔らかさに調整してあります^^
そして、私の地元である宮城の郷土料理「ずんだ」を使いたいなとも思いました。
ずんだ餅をイメージし、もちもち食感を出すためにぎゅうひを使いました。
難しかったところはありますか?
一番難しかったのは、やっぱりスポンジ生地です。
いろんな米粉を使って試しましたが、なかなかうまくいきませんでした。
でも、お家で作ってもらうことを考えたら、お母さんがちょっとしたおやつに作れる感じがいいなと思って…。
米粉もスーパーで手に入る種類のものでどうにか頑張ろうと思って、工夫をしました。
その他の食材も、買いやすい材料を使うことにもこだわっています。
決勝審査のご感想を教えてください
いろんな人に見られながら作ることが初めてだったので、ずっとドキドキしていました。
それでも、宮城のずんだをせっかく作るので、その様子を皆さんにも見ていただきたくて…。
自宅から曽祖母のすり鉢とすりこぎを持参しました。
2位だって分かった時は「まさかっ!」と思いましたね(笑)
他の皆さんの作品が「すごい!」と思っていたので、本当に自分が選んでいただけるなんて思ってもみませんでした…。
アレルギーっ子のご家族に一言
自分が食物アレルギーだった時に、他の子と同じものを食べられなくて「いいな」と思った瞬間はすごくたくさんありました。
…今だから思えることかもしれませんが。
「〇〇を使わないもの」の良さってあるんじゃないかなあって。
例えば、卵を使わないものを作る時に、卵を使ったものに味を近づけることは素晴らしいことだと思います。
だけど、卵を使わないお菓子は、卵を使わないからこそ出せる良さがあるとも思っています。
今回作ったずんだシフォンは、卵も乳も小麦粉も使わないからこそ出せる素朴な感じがとても合うと思っていて、それもあってずんだを採用しました。
アレルゲンを使ったものに近づけるのではなくて、アレルゲンを使わないからこそ出せる味を大切にすると、食べるのがより楽しくなると思います^^