こんにちは。CAT大人ライター(東京)れっどさんです。今回は、2月に都内某所で行った、お米のチーズ「my cheeese(以下、マイチーズ)」のシークレット試食会の模様をレポートします。(なお、非常に真面目な記事です。エンターテイメント感が薄いですがご了承くださいませ。)
提供:Happy Eco Life Kitchen
アレルギーっ子歴31年目、ライター&カメラマンのれっどです。東京・足立区生まれ&足立区育ちの江戸っ子。現在は隣接する埼玉県川口市で、同じくアレルギーっ子歴31年目の同居人と住んでいます。私には、牛・乳製品・豆乳・スイカ・メロン・マンゴー・いちじく・キウイなど、多岐に渡る食物アレルギーがあります。(他にもダニやハウスダスト、花粉、動物系のアレルギーもあります。)
昨年末に、日本で唯一の成人消化管アレルギーの専門医に出会い、年明けから入院による食物負荷試験を実施。現在、乳→牛乳不耐体質&食物蛋白誘発性胃腸炎疑い、豚→解除。
ヴィーガン・ベジタリアン食調理アドバイザー、環境アレルギーアドバイザーなどいくつかの資格取得済。昨年は中型バイクのMT免許も無事取得。活動の幅が物理的に広がりました。
目次
マイチーズとは
大阪在住のヴィーガン・エコえりこ(間 絵莉子)が「お米を使ってもっと美味しくて、使いやすくて、納得できる”のび”を実現したチーズを、自分たちの手で作れないか」と思い立ったことから、ヴィーガンやアレルギーの悩みを持つ仲間たちと共に開発された、特定原材料など28品目不使用のヴィーガンチーズ。
主原料は、米(米粉、餅粉)・ニュートリショナルイースト・天日塩・ビネガー。できる限り自然なもので作る、というモットーのもと、添加物・着色料不使用でもあります。
現在は製造・販売会社「Happy Eco Life Kitcen」としてマイチーズを販売。基本的には公式のオンラインショップにて購入いただけますが、大阪での不定期開催のマルシェや一部飲食店等の店舗でも取り扱いがあります。
新商品のシークレット試食会の背景
2024年1月の終わり。エコえりこさんより、本記事のライター・れっどの元に相談が舞い込みました。「新作の“マイチーズモッツアレラ”の試作がやっとできたので、試食会を東京で開催したい。2月中で!」という内容でした。フォウフォウ、なるほど急ですね(ド直球な感想(笑))。と思いつつ、前回の試食会も発見と驚きの連続だったことも記憶に新しく、ぜひ開催しましょう!ということに。
お声がけする範囲について、CATに参画いただいているキッズたちも検討したものの、”モッツアレラ”という食品自体が、どちらかというと「大人向け」という特性もあり、今回は、各種SNSで「乳アレルギー」体質である旨を公開している方々をご招待する形を取ることになりました。(公募ではなかったことから結果として「シークレット」開催となりました。)
ご参加いただいたメンバー
急なお声がけにも関わらず、ご参集くださったみなさまは計5名。(他、特別対応として商品送付をさせていただきオンラインでご回答いただいた方が2名。)
アレルギー体質として生活してきた年数も状況も、また現在のアレルギー反応の状態もそれぞれ異なっている、という皆様でした。
具体的には…
※プライバシー保護のため、表記名は全て仮名です。
<青井さん>
生まれてまもない頃から厳しいアレルギー体質。卵が一番ひどく、乳は少量ならOK。両親に注意を受けながら幼少期を過ごし、思春期には、アレルゲンが入っている商品を自らの判断で食し、辛い思いをすることも。その頃の学びがあり、現在は自分の体に合った塩梅で除去などを行っている。
<若松さん>
成人するまでも調子悪さ(じんましん、腹痛&腹下し)は感じていたものの、特に対策はせずにいた。先日、あまりに調子が悪いことが気になってアレルギーの検査を受けたところ、乳のアレルギーが発覚。好きな食べ物だったからショック。乳の他、アニサキスアレルギーもある。
<樹木さん>
生まれてからしばらくは一般的な乳児の食生活を送っており、乳が含まれるものも食べていた。しかし1歳半ごろから発症。乳だけでなく、いろんなアレルゲンに対して爆発発症し、一時は米もNGだった。成長するにつれて食べられるものが増えてきたものの、乳については命に関わるレベルのひどい症状が残っている(10年ほど前に誤食をしてアナフィラキシー症状が発現)ため、除去生活を送っている。
<侑芽さん>
6ヶ月検診でアレルギー体質であることがわかった。乳は、乳児期にひとさじ舐めたところ、蕁麻疹がしっかり出た。今も乳を摂取してしまうと、喉の腫れ・イガイガ感・目のかゆみ・鼻水・頭痛・意識朦朧などが起こる重度体質。成人を迎えた後からより激化している。
<恵比さん>
乳児期は今よりもっとひどい体質で、さつまいもやとうもろこし、米にも反応が出ていた。現在は寛解しているが、カカオについては体調により発症することも。乳は多少であれば食することはできるものの、お腹は下すので積極的に食べているわけではない。体質的には合わないと感じている。なお、卵アレルギーも持ち、現在一番ひどいアレルゲンである。
※なお、本試食会にはれっども参加しました。
<れっど>
乳児期は中度レベルの卵・乳製品アレルギー。小学校進学時に全てのアレルゲンについて寛解したが、成長とともに悪化。就職してから大幅に増悪。ヴィーガンを趣向するものの、豆乳に重度のアレルギーを抱えるようになった。2024年1月、成人の食物蛋白誘発性胃腸炎の検査を行い、顕著な数値は出なかったものの、症状の所見から「牛乳不耐体質であることは確か&食物蛋白誘発性胃腸炎疑い(研究の進度により詳しく判定)」となり、2024年2月より、乳成分から完全除去生活中。詳しい内容は別途、外部記事を準備中。
いざ試食!
今回はレシピの異なる3つの試作品(A/B/C)をご用意。カプレーゼ風(オリーブオイル、塩こしょう、プチトマト添え)にして提供しました。
A:もち粉、ニュートリショナルイースト、酒、ビネガー、塩
B:もち粉、ひよこ豆の豆乳、ニュートリショナルイースト、酒、ビネガー、塩
C:米粉、寒天、酒、ニュートリショナルイースト、ビネガー、塩
※企業秘の関係で概要のみの記載。
それぞれについての感想
A
- ◾️白玉っぽい。米と言われたらナルホドと思う。
- ◾️もちもちしすぎかな。(モッツアレラを食べたことがあるが)本物はすっと切れる感じがあるからそこが違う。
- ◾️「あ、白玉だ」ってなった。
B
- ◾️チーズと言われたら納得かも…。「そういうものなのかなぁ」という感じ。
- ◾️植物性と聞いて、意外感が強いのはBかも。
- ◾️上顎にはりつく感じがある。
- ◾️米の味(甘み)を感じた。
C
- ◾️ペースト感がある。”チーズ”なのか疑問も。
- ◾️Cが一番好き。最後に誤食したチーズに味わいが一番近いかも。使いやすさも感じる。
- ◾️チーズっぽい。
- ◾️味は一番好き!ザラザラ感はあったけど、コクがある。いつも「相模屋」のシュレッドタイプのチーズを好んで食べているけれど、これのまろやかさに近い。
総合意見
- ◾️BとCの間が一番チーズに近いかも?
- ◾️モッツアレラを再現するなら、Cの味わいでBの食感がいいかも。コクが少ないのがモッツアレラの特徴かとも思い、Bはコクがありすぎる気がする。
↓
これらの意見を受け、Happy Eco Life Kitchenでさらに改良を進められます!(販売開始までしばしお待ちください)
【余談】大人アレっ子も、チーズへの憧れは”アレ”だった
乳製品アレルギーを幼い頃から持っているアレっ子にとって、一般的なチーズで行われる特徴的な『びよーーーん』は夢のまた夢。「いつかやってみたい」という憧れは、前回の試食会でもお子様アレっ子たちからも聞かれましたが、大人からもやはり意見が。
また、チーズを使用したメニューとしてピザ(マルゲリータ)、グラタンを食べてみたいという声もありました。
※ピザ店でのアレルギー対応として、マルゲリータにチーズをのせない「マリナーラ」の提供をされることが多いアレっ子。もちろん、安心だし、美味しいし、満足はするけれど、「じゃあマルゲリータだったら、実際どういう美味しさになるの?!」というモヤモヤは残りがちです…。
大人アレっ子談義
今回もアレっ子の生活を知るべく、座談会を実施いたしました。様々なトピックが飛び交い、前回同様に「アレっ子あるある」話も登場しました。その一部をご紹介します。
乳以外のアレルギーと、アレルギー反応が出た時の見分け方
今回ご参加の皆さんは、乳以外にも1種〜複数種類のアレルゲンを抱えている皆さんでした。他のアレルゲンについての程度も中〜重度を感じており、誤食により消化管への即時型の症状(腹下し)を感じたり、軽い症状では湿疹を確認しているそうでした。
体のコンディションによって症状の出方も異なることから、「”体の調子に常に耳を傾けておくこと”がアレルギーとの上手な付き合い方」であると、誰に教わるわけでもなく“自ら学んでいる”ことが、参加者のほとんどに共通する話でした。
ちなみに、「アレルゲンを誤食すると、左右両方の同じ場所に同様の湿疹が発現する」という意見もありましたが、(れっども同症状を経験しているので)個人的にとても”わかりみ”のある内容でした。
いつも選んでいる「チーズの代用品」は?
ヴィーガン(プラントベース食)が世界的に普及していることもあり、すでに既製品としてヴィーガンチーズが出回っている昨今。マイチーズとしてやはり気になるのは「大人アレっ子の皆さんがいつもどのメーカーを選び、ストックし、どこを評価しているのか」。各々にお気に入りのヴィーガンチーズについても意見をいただきました(以下、箇条書き)。
- ◾️「Violife(ビオライフ)」のシート状のチーズがおいしい。
- ◾️「TOPVALU(トップバリュー、イオンのPBブランド)」で発売されているシュレッドタイプ。
- ◾️「ビオセボン」で購入した、海外製のヴィーガンモッツアレラ。もちもちプルプル。味が苦手だった。
→乳のモッツアレラを食したことがなく、初めて体験したモッツアレラ様のものがこれだったので嫌悪感しかなく、今日の試食会も実は身構えながらやってきた。でも、「大丈夫」と思える味のものが出てきて安心した。 - ◾️「BEYOND TOFU(相模屋)」のシュレッドタイプが使い勝手も良く、重宝している(複数意見あり)。少しお腹にたまるところも含めて良い。
- ◾️豆乳由来のチーズが好き。まろやかさがある。(乳も少しは食べられるけれど)味わいにコクがありすぎて重たいと思うから、植物ミルク由来の方が食べやすい。
大人アレっ子として日常で気にしていること、工夫について
アレルギー当事者を取り巻く、子どもと大人の大きな違いは「社会との関わりの広さ」。大学の部活・サークル、会社、バイト先など、いままでよりも格段に付き合いの範囲が広がり、アレルギー体質についての説明や、原材料についての確認機会が増えることが、積年のストレスとなっています。
しかし、「過度に心配されてしまうことが逆にストレス」といった、精神的なめんどくささ・抵抗感に反して、「憶測で食べてしまうのはもっと怖いし、周りに迷惑をかけてしまう」リスクもわかっているからこそ、『どこまで伝えるべきか』については、状況を見ながら判断しているという意見が散見されました。
その他、結婚式の二次会など、パーソナルな対応の依頼・確認が難しそうと感じる場に出席する際は、食べられるものが「サラダだけ」ということも往々にしてあるため、「あらかじめ、それなりにお腹を満たしてから参加する」という工夫についても話され、共感の声も上がりました。
「自分がアレルゲンを食べてしまうと、みんなが幸せにならない」
中高生の頃は友達と買い食いや外食もする機会が出てきて、アレっ子にとっては(親の監視を離れ)初めての食に挑戦する状況が増えます。その際、興味が上回り、アレルゲンが入っている食品も「これくらいなら大丈夫かな」と自己判断の上で食してしまうこともありますが…案の定、症状が出てしまい苦しんだという経験がある、という話も出てきました。
その中で出てきた印象的な言葉が
「自分が(アレルゲンを)食べてしまうと、みんなが幸せにならない」。
自分の一瞬の幸せは、一瞬の”死合わせ“でもある。
たくさんの人と関わり合いながら、社会を生きていかねばならない大人アレっ子は、この自覚を持って日々過ごすことが大切なのだと理性で理解することと、ある程度の割り切りが不可欠で。
わかってはいるし受け入れているけど、どこか寂寥感も背負って。
絶妙な感情がいつも渦巻いているよね。と、感じた一言でした。
毎度、発見が多い試食会。身が引き締まる思い。
たくさんのご意見やアレっ子としてのライフハック・苦悩が飛び交った今回の試食会。主催であるマイチーズ&CATにとっても有意義な会となりました。参加者のみなさまにとっても、実りある会であったことを祈ります…。
マイチーズのモットーは「どんな選択肢をしてもお互いにそれを認め合う多様性がある社会。そして人権問題や食料問題など未来への不安がない社会を作りたい」。
一般の食卓とアレっ子の食卓、さらに言えばヴィーガンの食卓とアレっ子の食卓を超えた架け橋になる食品の一つとして、今後、皆様の日常にささやかな”美味しい”幸せをプラスできる存在でありたいという思いを込めて、、、新商品「マイチーズ モッツアレラ」の商品化を進めていかれるそうです!
早く皆様のお手元で体験してみていただきたい…!商品販売の最新情報は公式HPや公式Instagramで発表されるので、ぜひフォローしてみてくださいね🎵
☆マイチーズは株式会社ぐるなびが推進する「米・米粉消費拡大推進プロジェクト」に令和4年・5年度にて採択されています。詳しくはこちら。
※「米・米粉消費拡大推進プロジェクト」に関する各食品については、ぐるなびが提供するサイト「コメノミリョク」にてご確認いただけます。
ライター&フォトグラファー&アレルギー情報を発信している人。1992年生まれ。猫アレルギー(クラス6)なのに、実家で猫を飼っているクレイジーマン。ツレもアレルギーっ子だが、タイプが違う。
新卒の頃から都内のホテルスタジオにてフォトグラファーの下積みをしていたが、上層部から遠回しに「(アトピーの)見た目が悪い。隠せ。」と言われたり、お客様のお子様から「お姉さんはなんで胸のところがブツブツなの?」と聞かれたり…。ストレスでアレルギー&アトピー症状がブースト→2年10か月で夢やぶれ、転職。企業で広報活動などを担当しつつ、インハウスカメラマンとして微妙に活動。コロナが流行りかけの頃に「やっぱりカメラをちゃんと仕事にしたい」と思い、再び転職。旅行系webメディアに勤めつつ、培ったライティング・取材力をアレルギーに悩む多くの方々のために使いたいと思い「CAT」ライターを志願、現在に至る。SNSでも発信中(Instagaram:@redvegpes)。あ、中重度のアトピーでしたが、「デュピクセント」という高額注射に出会い超軽度になりました。詳しく知りたい方はInstagaramのDMまでご連絡ください。